特定非営利活動法人 日本免疫学会

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会員及び研究者向け
日本免疫学会賞 第4回(平成13年)受賞者

「サイトカインのシグナル制御機構に関する研究」


吉村 昭彦

(九州大学生体防御医学研究所)
<業績評価の内容と受賞理由>
吉村昭彦氏はSH2ドメインを有する新規分子CIS(cytokine inducibleSH2-Protein)を発見した。CISはSTAT5によって誘導されサイトカイン受容体に会合することでSTAT5の活性化を抑制するSTAT5の負のフイードバック調節因子であることを世界ではじめて明らかにした。ついでJAK2のキナーゼドメインと直接結合する分子JAB(JAK-binding Protein) を明らかにした。JABは構造的にCISに類似した分子であり.JAKを直接阻害する新しいチロシンキナーゼ阻害因子であることを報告し、数多くの変異型JAB分子を作成し、キナーゼ活性抑制の新しい分子機構を提唱した。以上、吉村昭彦氏はサイトカインシグナルを制御する新たな遺伝子ファミリーの発見とその作用の分子機構の解明、生理機能の解明を行い、今後、サイトカインシグナルとT細胞が関与する疾患に多くの情報を与えてくれるものと期待される。

「B細胞レセプターを介するシグナル伝達機構の研究」


黒崎 知博

(関西医科大学肝臓研究所)
<業績評価の内容と受賞理由>
黒崎知博氏は、B細胞免疫グロブリン受容体(BCR)を介するシグルナル伝達機構を一貫して進めてきた。BCRを介するシグナルの第一段階に複数のチロシンキナーゼ(PTK)群Lyn,Syk,Btkが関与しており、これらPTK群が自らが発見したアダプター分子群BLNKやBCAPを燐酸化することにより、はじめてエフェクター群ホスフオリバーゼC(PLC)-?2,イノシトールリン脂質3キナーゼ(PI3-K)が膜分画にリクルートされ、活性化されることを明らかにした。そしてこの過程がB細胞の分化・増殖に必須であることを明らかにした。これらの研究は、国際評価も非常に高く、今後B細胞シグルナル伝達機構を中心として、B細胞のクローン選択機構や免疫不全症候群の本態の解明が期待される。