特定非営利活動法人 日本免疫学会

ENGLISH

HOME お問い合わせ サイトマップ

会員及び研究者向け
日本免疫学会賞 第9回(平成18年)受賞者

「基礎と臨床にわたる自己免疫疾患研究」


天谷 雅行

(慶應義塾大学医学部皮膚科)

<業績評価の内容と受賞理由>

天谷雅行氏は、尋常性天疱瘡抗原がカドヘリンファミリーのデスモグレイン3(Dsg3)であることを同定し、ELISAを用いた尋常性天疱瘡の確定診断法を確立した。続いて、患者血清から抗Dsg3抗体を除去することで水疱が緩解することを示し、自己抗体産生が本疾患の発症機構に密接に関与していることを証明した。さらに、Dsg3ノックアウトマウスは、Dsg3に対してトレランスが成立していない事に着目し、Dsg3ノックアウトマウス脾細胞を正常マウスに移植するという大変ユニークな方法で、尋常性天疱瘡モデルマウス作成に成功した。また、このモデルマウスを用い、Dsg3分子の接着機能上重要な領域に結合するとともに、天疱瘡様の症状を誘導できる抗Dsg3単クローン抗体を作成することに成功した。さらに、この抗体を使用して尋常性天疱瘡の重症度に関する分子機構を解明した。天疱瘡という疾患から免疫系をみるという研究姿勢には臨床研究者としての継続性と一貫性があり、基礎免疫学と臨床免疫学の両方にわたって大きな貢献をしてきた。また今後のさらなる発展が期待できる。