特定非営利活動法人 日本免疫学会

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日本免疫学会賞 第10回(平成19年)受賞者

「樹状細胞による免疫調節ダイナミズム研究」


樗木 俊聡(おおてき としあき)

(秋田大学大学院医学系研究科)

<業績評価の内容と受賞理由>

樗木俊聡氏は、IL-15の作用をNK, NKT, TCRγδ細胞について明らかにした後、さらに樹状細胞(DC)機能における役割の検討も行い、IL-15が自然免疫系を構成する多種の細胞群の分化や機能発現に重要な役割を担うという包括的な概念を示した。この中で、CpG刺激によりcDCが産生するIL-15が、cDCのCD40発現を増強し、pDCが発現するCD40Lとの相互作用によりIL-12産生を増強すると共に、pDCからのI型IFNによって感染防御を成立させるという、巧妙なcDC-pDC細胞間相互作用を証明した。また、IL-15が炎症性疾患の原因になることも明らかにしている。さらに、消化管粘膜関連リンパ組織に存在するTipDCが、常在性細菌の刺激によってiNOSを産生し、iNOSがB細胞のTGF-β受容体発現を誘導すると共に、TipDCのAPRILやBAFF産生を増強することによって、B細胞のIgAへのクラススイッチを促進することを示し、このような連続的な作用が腸管における恒常的なIgA産生の機構となっていることも証明した。以上のように、免疫応答の誘導と制御における樹状細胞の多面的な作用に関して、細胞間相互作用と組織特異的な役割に着目して行った樗木氏の一連の独創的な研究は、国内外に大きなインパクトを与え、本分野の研究進展に大きく貢献し、今後も更なる発展が期待される。