特定非営利活動法人 日本免疫学会

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日本免疫学会賞 第12回(平成21年)受賞者

「樹状細胞機能制御の分子基盤」


改正 恒康(かいしょう つねやす)

(理化学研究所・RCAI 生体防御研究チーム)
<研究評価の内容と受賞理由>
改正恒康氏は、Toll様受容体(TLR)と会合するアダプター分子としてMyD88だけが知られていた頃、自然免疫と獲得免疫を包括的に捉える目的で、樹状細胞研究に着手し、まず、MyD88欠損マウスを用いて、LPS刺激(TLR4シグナル)により樹状細胞がMyD88非依存性のシグナル伝達経路の刺激で表現型において成熟分化すること突き止め、MyD88非依存性経路の生物学的意義を示した。さらに、MyD88欠損マウスにおいて、樹状細胞の機能異常を見出し、その結果Th1/Th2バランスがTh2にシフトしていることを明らかにするなど、TLRによる樹状細胞機能制御機構について先駆的な仕事を行った。続いて、樹状細胞サブセットのTLR応答解析を進め、特に、4種類のIκBキナーゼ(IKK)ファミリーメンバーの中で、唯一、自然免疫シグナルにおける機能が確定していなかったIKKαに着目した。既に、氏はIKKαがB細胞の成熟、分化に必須であることから、獲得免疫における機能的意義を明らかにしていたが、さらに、このIKKαが樹状細胞サブセットの内形質細胞様樹状細胞(pDC)において、転写因子IRF-7と結合し、IRF-7を活性化することにより、TLR7/9刺激によるI型IFN産生誘導に必須の役割を果たしていることを明らかにした。競争の激しい分野で、独自の着眼点に基づき、樹状細胞機能制御に関与する分子基盤を明らかにしてきており、今後一層の発展が期待される。