特定非営利活動法人 日本免疫学会

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日本免疫学会女性免疫研究者賞 第3回(平成28年)受賞者

「リンパ球動態制御機構の解明」


片桐 晃子 氏

(北里大学 理学部 生命科学科 免疫学講座)
<研究評価の内容と受賞理由>
 片桐氏は、免疫系細胞の移動の分子機構とその生理的・病理的意義の独創的な研究を展開しており、細胞移動制御の免疫学的理解に大きく貢献している。まず、ナイーブリンパ球が高内皮細静脈(HEV)上に提示されたケモカインにより速やかに低分子量Gタンパク質Rap1を活性化させ、インテグリンLFA-1の接着活性が上昇することでリンパ節内に移動できることを発見した。
 さらにRap1下流の分子としてRAPLおよびMst1を同定してこの一連のシグナルカスケードがリンパ球の極性形成にも重要であることを示し、これらの業績は国際的にも特に極めて高く評価されている。また、このカスケードに関与する分子のT細胞での欠損マウスがリンパ球減少症を来し、末梢性寛容が破綻して自己免疫疾患を発症することを示した。最近ではRap1シグナルが腸管恒常性の維持にも関与することを示すなど、Rap1を基軸にリンパ球移動の分子機構とその病態との関連を一貫して追究し、この分野の先駆的な業績を次々と挙げており、今後の発展が大いに期待される。
 これらの理由から同氏を第三回日本免疫学会女性免疫研究者賞受賞者とした。