特定非営利活動法人 日本免疫学会

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日本免疫学会賞等

日本免疫学会研究奨励賞 歴代受賞者

第4回(平成21年)

植松 智
(大阪大学微生物病研究所)
「小腸粘膜固有層のToll-like receptor 5を発現する樹状細胞の機能解析」
<内容と受賞理由>
植松智氏は、小腸粘膜固有層の樹状細胞による自然免疫・獲得免疫応答について研究を行ってきた。これまでに、小腸粘膜固有層のCD11chiCD11bhi樹状細胞が、細菌の鞭毛構成タンパク質であるフラジェリンを認識するTLR5を特異的に発現しており、有鞭毛細菌に対して自然免疫応答を誘導することを見いだした。さらにTLR5刺激依存的に抗原特異的なTh17細胞やIgA産生形質細胞を誘導することも明らかにした。植松智氏の業績は腸管における免疫応答の理解に重要な貢献であり、今後の研究の発展が大いに期待できる。
小内 伸幸
(東京医科歯科大学難治疾患研究所)
「樹状細胞分化とホメオスターシス」
<内容と受賞理由>
小内伸幸氏は、樹状細胞の分化機構の研究に従事し、Flt3キナーゼやその下流のStat3、転写因子のPU.1が樹状細胞分化過程に重要であることを血液前駆細胞への遺伝子導入や阻害剤を用いた薬理学的アプローチによって示した。また、マウス骨髄における樹状細胞前駆細胞を検討し、ミエロイド系の樹状細胞と形質細胞様樹状細胞に共通の前駆体が存在することを示した。その業績は樹状細胞の分化経路の理解に大きく貢献したとして高く評価されており、今後の研究の発展が大いに期待できる。
金城 雄樹
(国立感染症研究所)
「NKT 細胞が認識する細菌由来糖脂質抗原の同定」
<内容と受賞理由>
金城雄樹氏は、一貫して微生物感染とNKT細胞に関する研究を行ってきた。マウスおよびヒトのNKT細胞が認識する細菌由来の糖脂質抗原を初めて同定することで、NKT細胞は微生物の構成成分を抗原として認識するという仮説を証明した。また、有機化学的および生化学的な手法をとりいれてNKT細胞による細菌認識機構について新たな概念を提唱した。さらに、NKT細胞の感染防御における役割や治療への応用の視点を持って研究を進めており、今後の研究の発展が大いに期待できる。
篠原 久明
(理化学研究所・RCAI)
「抗原受容体シグナルにおける NF-κB 活性化機構解析」
<内容と受賞理由>
篠原久明氏は、一貫して細胞内シグナル伝達機構の研究に取り組み優れた研究成果をあげてきた。特に、B細胞抗原受容体を介するNF-kB活性化にTAK1が関与する事を初めて明らかにするとともに、NF-kBの活性化に正の増幅機構が存在する事を明らかにした。現在、B細胞抗原受容体を介したNF-kBの活性化機構のさらなる解明と数理モデルの構築を精力的に行っており、生体における免疫応答予測システムの樹立など、今後の研究の発展が大いに期待できる。
肥田 重明
 (信州大学大学院医学系研究科)
「好塩基球を介した免疫応答制御」
<内容と受賞理由>
肥田重明氏は一貫して炎症とサイトカインに関する研究を続けて来た。これまでに転写因子IRF-2のI型インターフェロンシグナルの抑制機構とその欠損による皮膚炎症や好塩基球の異常増殖、Th2偏倚への影響などを明らかにしている。またさらに、IRF-2のIL-3の増殖シグナルに対する特異的抑制や好塩基球への影響などを示した。最近これらを発展させ、好塩基球のIL-4産生に対するIL-3シグナルにおけるFcRγ鎖の関与という発見をし、新たなシグナルのクロストークなど好塩基球のシグナル伝達機構の解明に大きな貢献をした。種々のアイディアに基づいた研究を推進しつつあり、今後の研究の発展が大いに期待できる。



(五十音順)