特定非営利活動法人 日本免疫学会

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日本免疫学会賞等

日本免疫学会研究奨励賞 歴代受賞者

第6回(平成23年)

伊川 友活
(理化学研究所・RCAI免疫発生研究チーム)
「T細胞/B細胞系列への運命決定における転写因子による制御機構の解明」
<内容と受賞理由>
伊川友活氏は、大学院時代から現在まで一貫して、T細胞系列への運命決定における転写因子による制御機構を研究してきている。大学院時代には、胸腺における系列決定過程を解析できるクローナル培養法を開発し、T/NK共通の前駆細胞からNK細胞系列への決定にId2が必須であることを明らかした。また、米国留学中はE2Aの欠損によりB細胞系列以外への分化能をもった多能性前駆細胞を用いて、T細胞初期分化にはNotchシグナルが重要であること明らかにした。さらに最近は、Notchリガンドと増殖因子を用いた造血幹細胞の培養系を用いて、転写因子BCL11BがT細胞系列への分化決定に必須であることを明らかにしており、今後の研究の発展が大いに期待できる。
澤 新一郎
(国立成育医療研究センター内科系診療部 免疫科)
「マウス腸管におけるRORγt自然リンパ球の機能解析」
<内容と受賞理由>
澤新一郎氏は、腸管免疫系において新たに同定されたRORgt陽性自然リンパ球の発生と機能の解析を進め、腸内免疫系維持機構の解明に多大な貢献を果たしてきている。RORgt陽性自然リンパ球は、RORgt陽性T細胞とは異なり腸内細菌非依存的に発生し、腸管におけるサイトカインIL-22の主要産生細胞であるとともに腸管上皮のバリア機構維持にも寄与することを明らかにした。澤氏の進める研究は、基礎免疫学として卓越しているのみならず、炎症性腸疾患の病態解明にもつながるものであり、今後の発展が大いに期待される。
鈴木 敬一朗
(京都大学医学研究科AKプロジェクト)
「腸管IgAの産生機構とその粘膜上での役割」
<内容と受賞理由>
鈴木敬一朗氏は、一貫して腸管粘膜におけるIgAの産生とその制御機構の解析を進め、優れた研究成果を次々挙げてきている。まず、培養不能な腸内細菌を16S RNAの塩基配列を解析する方法を先駆的に用い、IgA欠損マウスでは、セグメント細菌が異常増殖することを明らかにした。また、単離が困難であった濾胞樹状細胞FDCを解析し、これらが腸内環境因子を認識してIgA産生を誘導することを明らかにした。これらの結果は、腸管免疫応答の調節の理解に大きく貢献し、今後の研究の発展が大いに期待される。
手塚 裕之
(東京医科歯科大学難治疾患研究所生体防御学分野)
「腸管樹状細胞によるIgA生産誘導機構の解明」
<内容と受賞理由>
手塚裕之氏は、一貫して消化管粘膜免疫の研究を行ってきた。腸粘膜関連リンパ組織にiNOSを発現する樹状細胞サブセットが存在することを突き止め、この細胞によるIgA産生誘導機構を明らかにした。また、IgA産生誘導機構における形質細胞様樹状細胞の質的優位性を明らかにした。現在、経口免疫寛容の制御機構や炎症性腸疾患の発症機構に関する研究を進めており、今後の研究の発展が大いに期待できる。
馬場 義裕
(大阪大学免疫学フロンティア研究センター分化制御研究室)
「カルシウムシグナルを介した免疫制御機構」
<内容と受賞理由>
馬場義裕氏は、一貫して免疫細胞活性化シグナルの伝達における細胞内Ca2+の役割について研究し、特に、BCR刺激によるSykの活性化から小胞体Ca2+放出に至るBtkを経由するカスケードの同定や、小胞体タンパクSTIM1欠損マウスの作成と解析によるストア作動性Ca2+流入の肥満細胞の脱顆粒反応および制御性B細胞のIL-10産生における重要性の発見など特筆される成果を挙げてきている。これらの成果に基づき、STIM1機能制御分子の探求、そして制御性B細胞の炎症、自己免疫疾患との関連の追求を精力的に進めており、今後の研究の発展が大いに期待できる。



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