特定非営利活動法人 日本免疫学会

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日本免疫学会賞等

2013年 日本免疫学会 第8回研究奨励賞 受賞理由 (五十音順)

第8回(平成25年)

米谷 耕平
(理化学研究所・IMS-RCAI 分化制御研究グループ)
「B細胞抗体産生を司る分子群の機能解明」
<内容と受賞理由>
米谷耕平氏はこれまで、末梢のB細胞の一次免疫反応・二次免疫記憶反応を制御するメカニズム研究に携わり、CIN85がB細胞のシグナル活性を制御して、その結果一次免疫反応に必須の役割を担っていることを明らかにした。又、二次免疫記憶反応の特徴である、迅速反応性に関して、長年の議論に決着をつけるデータを得、更に、新しい分子基盤提出に至った研究成果など、優れた業績を挙げてきている。現在これらの研究を基に、免疫記憶維持のメカニズム研究を精力的に展開しており、将来の研究の発展が期待される。
関谷 高史
(慶応義塾大学医学部 微生物学免疫学教室)
「核内オーファン受容体Nr4aによるCD4+T細胞分化制御の研究」
<内容と受賞理由>
関谷高史氏は、抑制性T細胞Tregを産み出す転写因子の検索を行い、Nr4aファミリー遺伝子の強制発現でナイーブT細胞にFoxp3が誘導されることを発見した。さらにNr4a 1,2,3の3重ノック欠損マウスを作製しTregの産生にNr4aが必須の役割を果たすことを示した。またNr4a遺伝子を骨髄細胞に導入することで、強力にNr4aを活性化するとT細胞の細胞死が起こり、適切に活性化されるとTregになることを証明した。すなわちNr4aが胸腺におけるCD4T細胞のセレクションに必須な役割を果たすことを示した。このように関谷氏はTregの発生分化を精力的に研究しており、今後の研究の発展がおおいに期待できる。
廣田 圭司
(大阪大学免疫学フロンティア研究センター 実験免疫学)
「炎症性Tヘルパー細胞の機能と制御機構の解明」
<内容と受賞理由>
廣田圭司氏は、これまで一貫してIL-17産生炎症性Th17細胞の分化因子及び機能制御機構に関する研究を行い、優れた研究業績を挙げている。自己免疫疾患の動物モデルを用いて、Th17細胞の分化モデル、遊走因子、機能制御に関わる転写因子を明らかにしてきた。さらに、IL-17細胞系譜リポーターマウスを作製することによって、さまざまな免疫応答時の生体内でのTh17細胞の可塑性とその生物学的意義を明らかにした。現在、Th17細胞のエフェクター機能を制御する分子および可塑性を誘導する分子機構のさらなる理解に向けた研究を展開しており、今後の研究の発展が大いに期待できる。
三宅 靖延
(九州大学生体防御医学研究所 分子免疫学分野)
「抗原提示細胞による死細胞と結核菌に対する免疫応答に関する研究」
<内容と受賞理由>
三宅靖延氏は、マクロファージ・樹状細胞による自己・非自己の認識機構の研究に従事し優れた業績を挙げている。生体内で死細胞を貪食して免疫寛容を誘導するマクロファージの亜集団を同定し、その集団を制御することで自己免疫疾患の抑制を可能にした。また、結核菌を認識する受容体の研究を進め、新規C型レクチン受容体MCLを見いだし、宿主の獲得免疫系の活性化を誘導して、結核菌からの生体防御におけるMCLの役割を解明した。現在は、同定したMCLの機能解析とともに、これを標的にした低毒性アジュバンドの開発をも精力的に進めており、今後の研究の発展がおおいに期待できる。
柳井 秀元
(東京大学生産技術研究所 炎症・免疫制御学社会連携研究部門)
「核酸認識・炎症性疾患におけるHMGB1の機能解析」
<内容と受賞理由>
柳井秀元氏はこれまで、核酸認識受容体における核酸認識機構についての解析に従事し、優れた研究成果を挙げてきた。特に、High-mobility group box (HMGB)-1タンパク質が核酸認識において、重要な役割を果たしていることを世界で初めて明らかにしている。HMGB1が核酸に結合することはこれまで知られていたが、核酸認識全般において、重要な役割を果たしていることを示した事は、この分野に大きな展開をもたらしたといえる。さらに、HMGBタンパク質を標的としたオリゴ核酸が、自己免疫疾患モデルマウスにおける病態を軽減させることができることも示したことは、核酸医薬の開発に資する成果として高く評価できる。