九州地方自身復興支援のお願いに関する情報

 

発生医学研究所の復興のためのご寄附のお願い

 

熊本大学発生医学研究所 所長 西中村 隆一

 

熊本地震によって、熊本大学発生医学研究所の建物(研究棟)と研究設備が甚大な被害を受けました。スタッフ一同、復旧作業に全力を注いでいるところです。この度、熊本大学基金内に「発生医学研究所教育研究支援事業」を設置いたしましたので、ご支援とご協力をよろしくお願い致します。

 

発生医学研究所(発生研)は4/14の地震で大きな被害を受けました。しかしその後4/16未明に発生した本震は想像を絶するもので、熊本市内は電気、水、ガスのライフラインが断たれました。メールへの返信やHPの更新もままならず、皆様にご心配をおかけしました。 現在、熊本市には電気と水が戻りつつありますが、ガスは連休明けまでかかるようです。幸い、研究関係者には大きな人的被害は出ていません。最大の宝である人が無事であることに感謝しています。

 

発生研周囲の地面は波打ち、外壁タイルが剥がれ、内外壁には大きなひびがいくつも入っています。検査の結果、建物自体の倒壊の可能性は低いだろうということで、安堵していますが、その損傷はかなり深刻です。余震による外壁タイル落下の危険性があるため、立ち入り制限が続いています。外内壁のひび割れが貫通し、雨水が廊下など内部に侵入しています。中層階の窓は歪み、動かず、雨が吹き込むのでビニールで目張りしました。高層階では給水管、ガス管が損傷し、漏水が発生、ラボの一部と全階のエレベーターに水が流れ込みました。研究室は特に高層階の被害が大きく 実験台、解析用PC, 顕微鏡、CO2 インキュベーター、クリーンベンチなど多くのものが落下・転倒しています。FACS, 質量分析計、高速シーケンサーなどの共通機器も中・高層階にあったため、その多くが落下・転倒しました。引き続く余震と交通網の寸断によって、建築業者や機器メーカーの熊本入りも遅れています。

 

私どもは一日でも早くこの状態を脱し、研究教育活動を再開したいと願っています。また発生研は文部科学省認定の全国共同研究拠点でもあり、全国の研究者を受け入れて、これらの充実した機器と熟練の研究支援者で支援してきました。これが近年の発生研自体の躍進の基盤にもなっており、一刻も早く復旧せねばなりません。今回の広範な被害に対して、もちろん国のご支援を要望していきますが、建物の早急な修復と研究室及び先端機器の再整備には多大な費用がかかりますし、支援実施までの時間もかかるでしょう。そこで、研究者の方々ならびに社会の皆様に早期のご支援をお願いできませんでしょうか? お受けした寄附金(義援金)は、速やかに対応すべき2つの用途に使わせていただきます。(1)研究棟の安全確保(電気・水・ガスラインや雨漏りなど、損傷箇所に対する迅速対応)、(2)研究活動の再開のための整備(壊れた棚・デスク、研究室の基本的な物品の復旧、固定器具の手配、機器の修理・購入)を計画しております。

 

皆様のご支援を何卒お願い申し上げます。