- 1.理事会だより
2024年度第3回理事会が2024年9月26日(木)に理化学研究所(Zoomミーティング)にて開催され、2024年10月7日のメールによる持ち回り理事会にて、以下のとおり10月18日に承認されました。
議案として
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第1号議案~第5号議
第52回日本免疫学会学術集会報告として、中島裕史学術集会長代理より資料をもとに、報告書の説明と、開催にあたっての協力のお礼がなされ、承認されました。
理事長代理候補者は、渋谷和子氏、安友康二氏が満場異議なく承認されました。
第56回学術集会(2027年開催)会長候補者3名、賞等選考委員会候補2名、学術委員会委員候補2名、学術委員会委員評議員2名が選出されました。
理事候補者14名、監事候補者3名、第55回学術集会(2026年開催)会長候補者3名、評議員候補者163名選出されました。
また、2025年1月1日から任期の始まる各種委員会の新委員が承認されました。 -
第6号議案
日本免疫学会賞・ヒト免疫研究賞・女性免疫研究者賞・研究奨励賞の受賞者について
第27回 日本免疫学会賞は、鈴木一博 氏 (大阪大学)「リンパ球動態の新たな制御機構の解明」に決定しました。
第11回 日本免疫学会ヒト免疫研究賞は、渋谷 彰 氏 (筑波大学)「新しい免疫受容体の発見から炎症性 疾患に対する創薬開発研究へ」に決定しました。
第11回 日本免疫学会女性免疫研究者賞は、濱崎洋子 氏 (京都大学)「胸腺上皮細胞の分化とT細胞老化に関する研究」に決定しました。
第19回 日本免疫学会研究奨励賞は、以下の5氏に決定しました。(五十音順)
・清水謙次 氏 (東京大学)「免疫抑制受容体PD-1による遺伝子選択的・細胞選択的抑制機構の解明」
・下川周子 氏 (国立感染症研究所)「寄生虫による免疫抑制メカニズムの解明」
・竹内直志 氏 (スタンフォード大学)「腸内細菌代謝機構と宿主免疫・慢性炎症に関する研究」
・三宅健介 氏 (東京医科歯科大学)「1細胞トランスクプトーム解析の活用による好塩基球の分化経路な らびに皮膚アレルギー制御機構の解明」
・室 龍之介 氏 (東京大学)「γδT細胞の分化と選択におけるシグナル伝達の分子機構」 -
第7号議案
2025年度功労会員候補者に、小安重夫氏、渋谷彰氏が満場異議なく承認されました。 -
第8号議案
EMBO(the European Molecular Biology Organization/欧州分子生物学機構)から提案されたとおり、第53回学術集会においてEMBOポスター賞を新設し、口頭発表に選ばれなかったポスター発表を対象に、候補者を各ワークショップより2件ずつコーディネーター・座長が選出し、選考はEMBOのEditorに行っていただくことが承認されました。 -
第9号議案
日本免疫学会事務局新入職員と雇用契約を締結する事及び給与が承認されました。 -
第10号議案
学会事務局職員の給与及び2024年12月分賞与が承認されました。 - その他以下の件について、審議しました。
- 2024年度(後期分)Tadamitsu Kishimoto International Travel Award 合格者の承認の件について
黒崎理事長より、資料をもとに合格者選考に至る経緯と、その結果についての説明がなされ、承認されまし
た。
- JSI-JCR Joint Session実施細則について
竹内理事(次期学術委員長)より、標記議案について資料をもとに説明がなされ、以下のとおり、実施細則 2.及び3.の改定案を、日本リウマチ学会の理事会でお諮りいただく旨が、出席理事に異議なく承認さ れ、後日持ち回り理事会に諮ることとしました。
2. 日本免疫学会学術集会中のJSI-JCR Joint Sessionは、日本免疫学会が日本リウマチ学会と協議の上で企 画し、座長2名と演者4名はそれぞれの学会から選出する(原則的に座長及び演者はそれぞれの学会同数とす る)
↓
座長2名は日本免疫学会、日本リウマチ学会から選出する。日本リウマチ学会からの座長は、日本免疫学会 側で候補を指定してJCRの同意を得る。演者については、座長が協議の上で企画し、演者はそれぞれの学会 から選出する(原則的に座長及び演者はそれぞれの学会同数とする)。
3. 日本リウマチ学会総会・学術集会中のJSI-JCR Joint Session は、日本リウマチ学会が日本免疫学会と協 議の上で企画し座長2名と演者4名はそれぞれの学会から選出する(原則的に座長及び演者はそれぞれの学会 同数とする)
↓
日本リウマチ学会総会・学術集会中の JCR-JSI Joint Sessionは、座長2名は日本リウマチ学会、日本免疫学 会から選出する。日本免疫学会からの座長は、日本リウマチ学会で候補を指定してJSIの同意を得る。演者に ついては、座長が協議の上で企画し、演者はそれぞれの学会から選出する(原則的に座長及び演者はそれぞれ の学会同数とする)。
また、報告として
- 持ち回り理事会にて承認された前回理事会議事録及びその他の持ち回り理事会審議結果の確認がなされました。
- 大野博司第53回(2024年)日本免疫学会学術集会会長より資料をもとに、会期を含めた会場、一般演題数、学術集会テーマ、FIMSA Travel Awardの応募・採択数、その他シンポジウム等の各プログラムの説明がなされました。また、日薬連からの寄附の減額等の収入の目減りはあるが、企業セミナー等の申込みや長崎市からの助成の増額もあり、全体の収支には影響ないであろう旨が報告されました。また、今回はライフイベント対応希望者が1件あった旨の報告もされました(後日希望者はポスター発表に採択されたため、オンラインでの発表はなし)。
- 河本宏第54回(2025年)日本免疫学会学術集会会長より資料をもとに、学術集会の会期案及び会場(アクリエひめじ)を含めた準備状況及び、現在副会長の人選を進めている旨が報告されました。また、会場の広いイベントスペースを活用した姫路市美術館との芸術的なコラボ企画を構想中であること、今年の12月の学術集会までにプログラム委員会を開催し、学術集会のテーマを固める予定である旨も報告されました。
- 黒崎理事長より、本年8月20日開催の持ち回り理事会おいて承認された「日本における免疫学研究力向上に向けての提言」を、文部科学省ライフサイエンス課の釜井課長様宛に提出した旨が報告されました。また、今後継続的にこの様な声を上げることが非常に重要なため、引き続き次期執行部にも検討・実施いただきたいというお願いもなされました。
- 山崎総務委員長より、日本ベクトンディッキンソン株式会社との共同企画である、「2024年 若手免疫学 研究推進事業」の、以下3名(五十音順)の採択決定に至る経緯の報告がなされました。
・奥村元紀 氏(国立がん研究センター 免疫 TR分野)
「転移再発頭頸部がんにおけるNivolumab耐性機序の解明とバイオマーカーの探索」
・古賀 諭 氏(大阪大学大学院 医学系研究科 感染症・免疫学講座 生体防御学教室)
「2型自然リンパ球と舌免疫系クロストークを介した組織バリア形成機構の解明」
・森田 覚 氏(慶應義塾大学医学部外科学教室)
「肝癌悪性化に寄与する線維化機構と微小免疫環境の本態解明に関する研究」 - 山崎総務委員長より、トミーデジタルバイオロジー株式会社との共同企画である、「2024年 若手女性研 究者研究支援事業」の、以下2名(五十音順)の採択決定に至る経緯の報告がなされました。
・石橋亜衣里 氏(大阪大学大学院医学系研究科 免疫制御学教室)
「部位特異的な糖転移酵素による糖鎖修飾メカニズム及び腸管恒常性維持機構の解明」
・白柏魅怜 氏(京都大学医学部附属病院 免疫膠原病内科)
「全身性エリテマトーデスに自律神経-腸内細菌軸が関与するメカニズムの探究」 - Int. Immunol. 誌編集の現状について、山崎総務委員長より資料を基に、今年度は比較的投稿数が増えてい るが、採択数はそれほど上がっていない旨、報告されました。また最新のインパクトファクターはまだ発表されていないが、昨年サイテーションの良い論文もあったため、数字は期待できる旨も報告されました。
- 2025年度評議員会・通常総会の開催日程について
黒崎理事長より、標記議案について、去る、今年の5月に実施された、理事によるオンライン投票の結果、2025年の評議員会・通常総会はオンライン開催とすることが決定し日程調整の結果、以下の日程で開催することが決定した旨、報告されました。
2025年度 評議員会・通常総会 (Web合同開催) 2024年12月16日(月) 14:00~15:00
各種委員会報告
- 国際交流委員会より、IUIS報告として、IUIS 74th IUIS Council Meetingを2024年11月3日にブエノスアイレスにて開催予定で茂呂和世氏と竹内理氏が参加予定である旨、IUIS2025(2025年8月17-22日)のKeynote Speakerが決定し、日本からは坂口志文氏が選ばれている旨が報告されました。FIMSA報告としてFIMSACongress-2024は、台湾、台北(10/23-26)で開催予定で、同時にFIMSA council meetingを開催し次期執行部を選出予定であると報告されました。FIMSA Training Course 2025はインド、2026はオーストラリアで開催予定です。また、JSIとドイツ免疫学会でのJoint Webinar Seriesを2023年11月より月1回開催し、毎回参加者が約100名を数え好評であること、第10回は10月16日(水)で日本からは馬場義裕氏が登壇予定である旨、報告されました。また、今回から日本免疫学会の事業となった「日独免疫ワークショップ2024」が、2024年11月29日(金)~12月1日(日)に奈良県・東大寺総合文化センターで開催予定である旨も報告されました。ドイツ側より21名、日本側からは17名の先生方に登壇いただく予定です。
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学術委員会より、2025JSI-JSCI合同シンポジウムを2025年2月8日(土)午後に完全Web開催に向けて、合同委員会(日本免疫学会:竹内理氏、山崎晶氏、三宅幸子氏・日本臨床免疫学会:藤尾圭志氏、松本功氏)を立ち上げ、準備を進めている旨、報告されました。合同シンポジウムは2回セットとし、継続性をもたせ、相互交流を活発化する狙いがある旨も報告されました。第1回の予定プログラムは以下のとおりです。
1)免疫と細胞老化
JSI側:濱崎洋子 先生(京都大学):ワクチン接種機会を活用した高齢者の免疫応答特性の理解
JSCI側:藤尾圭志(東京大学):免疫疾患データベースを用いた加齢修飾の解明
2)自己免疫
JSI側:荒瀬 尚 先生(大阪大学):T細胞によるセルフとネオセルフの識別と自己免疫疾患
JSCI側:中山田真吾 先生(産業医科大学):自己免疫疾患患者の免疫フェノタイプから見える課題と今後の展望
3)パネルディスカッション - 岸本忠三・若手研究者育成事業推進委員会より、「きぼう」プロジェクト研究発表会を開催し、「採択者同士の横の繋がり」を広げるとともに、岸本先生との交流の機会を設けて今後の研究活動の刺激となるよう、対面で2日間開催し、1日目の夜には懇親会を開く計画をしている旨、報告されました。また、2025年度「きぼう」プロジェクト免疫学博士課程学生支援の募集予定の報告及び周知のお願いがなされました。
- 教育推進委員会より、次期委員会委員の刷新についての報告がなされました。また、今後の免疫サマースク ールのあり方として、現状の問題点が共有され、教育推進委員会にて引き続き討議していくこととなりました。
- 高校生物教育・教科書検討実行委員会より、生科連の生物教育・大学入試問題検討委員会での学術会議の高校理科重要語集の改訂の作業に参加し、本委員会の提案の多くが取り入れられ、改訂案は4月25日に開催された第29回生科連定例会議で承認された旨、報告されました。また、学術会議の高校理科重要語集の策定を行った日本学術会議基礎生物学委員会・統合生物学委員会合同生物科学分科会で、生科連の重要語集改訂案が審議され、若干の修正が行われ、現在、委員会の報告書の作成が行われており、この報告書は学術会議の査読委員会に提出され、審議される予定である旨も報告されました。また、生科連では重要語の解説集が作成されることになっており、今後、免疫学分野での解説集の作成に参加するとともに、より幅広い用語について検討する予定であると報告されました。
- 広報委員会より、ニュースレターの編集状況、およびホームページの活動の報告、バナー広告申込状況及び、次期委員会委員の刷新についての報告がなされました。また、IUISよりニュースレターへのTopic追加のオファーがあったため、既に演題登録は締め切られているが、まだ参加登録が可能な12月の第53回学術集会を日本免疫学会からのTopicとして、大会長の大野氏のメッセージを抜粋する形で投稿することが確認され、了承されました。
- 科学コミュニケーション委員会より、ハイブリッド開催された免疫ふしぎ未来の報告及び、次期委員会委員の刷新についての報告がなされました。今年のふしぎ未来はかなり暑い気温の中、オンラインも合わせて約2,000名の参加者に恵まれ、成功裏に終えられた旨、報告されました。また、ショートークについては、動画編集のうえ、学会YouTubeチャンネルにアーカイブを掲載する予定であると報告されました。また、来年は北海道大学の高岡晃教氏監修のもと活動されている「免疫戦隊まもるんジャー」を免疫ふしぎ未来に招くことを計画中の旨、また、来年の免疫ふしぎ未来は倉島洋介氏(千葉大学)を中心として開催に向け準備を進める旨が報告されました。
- 倫理・利益相反委員会より、日本医師会の第8回研究倫理教育研修会「変貌を遂げる研究倫理の意味合いとその啓発」(2024年5月7日)に利益相反委員として出席した藤井眞一郎氏の報告に基づいた以下の概要が報告されました。
○個人的なCOIはガイドラインがほぼ完成してきており、経済的COIから学術的COIの公表について一般化してきているところ、今後は組織COIを整備する必要あり。
○臨床研究を推進するために、チェックリストを作成した。この中においては主に倫理委員会委員を対象としたもので、各事例を用いて説明し、この有益性や国際的評価の向上を目的としたブラッシュアップ、科学有益性を評価するということを目指している。
○査読に関してAIで査読することは可能であって、分野によっては再現性が取れる場合も3、4割あることを検証した。この結果より医療系論文の査読はAIが貢献する可能性が高い分野と言える。ただ、ユニークで独創的なものは確認できないので、そのような部分はAIでは査読できないと考えられる。総じて、現在医学系論文は、色々な分野が重なり広がって行っており査読が難しくなっているため、やはりまだまだ人の力が必要であろう。
持ち回り理事会記録
2024年4月5日~2024年9月26日に以下の3回が開催されました。
- 2024年度第1回理事会議事録(案)の承認等の件
2024年4月15日に審議をし、同月26日に承認されました。 - 日独免疫ワークショップを日本免疫学会の事業とする件
2024年6月19日に審議をし、7月1日に承認されました。 - 文部科学省宛に、日本免疫学会として「日本における免疫学研究力向上に向けての提言」を提出する件
2024年8月16日に審議をし、同月20日に承認されました。
- 2.学術集会について
第53回日本免疫学会学術集会は、2024年12月3日(火)から5日(木)まで、大野博司会長のもと出島メッセ長崎(長崎県)で、第61回日本消化器免疫学会と合同開催されます。また、第54回日本免疫学会学術集会は、2025年12月10日(水)から12日(金)まで、河本宏会長のもとアクリエひめじ(兵庫県)で開催される予定です。
- 3.会員の叙勲、受賞のお知らせ
- 稲葉カヨ 氏: 文化功労者
- 竹田 潔 氏、本田賢也 氏: 高峰記念第一三共賞
(叙勲、受賞された方は事務局info@meneki.or.jpへご一報ください。)
- 4.ホームページ活用のお願い
日本免疫学会では、ホームページに有用な情報をより迅速に掲載し、会員のためのサービスの向上、会員相互の交流(人材募集の掲載)、研究推進などのツールとして活用していただくことを願っております。会員みなさまのより積極的な利用をお願いいたします。
(事務局info@meneki.or.jpへご連絡ください。)
文責: 総務委員会 委員長;山崎 晶、 副委員長;安友康二