日本免疫学会概要
理事長メッセージ

新理事長就任にあたって
2025年1月1日より、黒崎知博先生の後任として日本免疫学会理事長を拝命いたしました。
免疫の現象論を紐解く学問として始まった日本の免疫学は、1980年代にサイトカイン遺伝子を次々とクローニングし、免疫現象の分子実態を解明しました。1990年代には遺伝子欠損マウスの作成技術を駆使し、免疫分子のマウス個体レベルでの機能を明らかにしてきました。そして近年、次世代シークエンサーなどの解析機器の革新により、少量のサンプルから大量で精緻な情報の入手が可能な時代になりました。このような中、これからの免疫学はヒト免疫疾患を克服するために、臨床医学、情報科学分野などとの連携を密にして、ヒトの免疫システムを理解していく必要があります。
このような免疫学の動向を捉え、日本免疫学会が持続的に国際的に発展するためには、黒崎前理事長が注力されてきた以下の3課題に継続して取り組んでいくことが重要です。
1)他学会との連携:これまでも日本アレルギー学会や日本消化器免疫学会との共催シンポジウムを開催してきていますが、臨床系の学会との共催を含めた深い連携関係を構築し、ヒトの疾患病態の理解に基づいた免疫学研究をリードしていくこと。
2)次世代育成: 若手研究者が活動しやすい環境を構築することが極めて重要と考えています。「きぼう」プロジェクトに加えて、将来有望な若手研究者が、思い切りその実力を発揮できる環境を作ること。
3)国際化:次世代研究者の育成とも関係しますが、世界的に活躍する研究者を育てていく環境づくりのため、国際学会との連携による学会活動の国際化。
これらの課題を実現すべく、総務委員長・安友康二先生、総務副委員長・堀昌平先生、財務委員長・渋谷和子先生、財務副委員長・平原潔先生と一丸で取り組んでまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人 日本免疫学会
理事長 竹田 潔
TAKEDA Kiyoshi
大阪大学 免疫フロンティア研究センター