JSI-MACS Hero Days Project
| 公募要領 | 歴代採択者 |
歴代採択者
2026年 春
- 淺海 祥平 (理化学研究所生命医科学研究センター 粘膜システム研究チーム)
竹内理氏は、Toll-like receptorやRIG-I-like receptor等のパターン認識受容体による病原体認識とシグナル伝達経路の解明で、数多くの世界的な成果をあげてきた。また、RNA分解酵素Regnase-1に代表される転写後制御が、免疫応答の適正化に必要不可欠であることを世界に先駆けて解明し、これによって独創性の高い新たな研究分野を開拓した。その後も、ヒトHIV-1 RNAを分解する新規分子N4BP1の同定、ヒト潰瘍性大腸炎上皮におけるRegnase-1リン酸化配列の変異など、転写後制御研究を推進・発展させている。竹内氏は、炎症性疾患や感染症における転写後制御機構の解明ならびに制御法の開発を目指しており、今後の展開が大いに期待できる。
- 荒瀬 充 (大阪大学大学院 医学系研究科 感染症・免疫学講座 免疫制御学教室)
- 池田 峻弥 (大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻)
長谷耕二氏は、腸管免疫制御の研究を一貫して進め、数多くの画期的な成果をあげてきた。まず、パイエル板に存在するM細胞の特異的マーカーを同定しその機能を解明するとともに、大腸の制御性T細胞はUhrf1によるDNAメチル化の維持によりその機能と増殖が制御されていることを見出した。続いて、絶食時にはパイエル板のナイーブB細胞は骨髄に退避するが食事再摂取後には速やかにパイエル板に帰巣するという、栄養シグナルと腸管免疫応答の制御機構を明らかにした。さらに、母胎腸内細菌が産生した短鎖脂肪酸が胎児に移行して生後の肥満感受性に影響を与えることを見出した。以上のように、長谷氏の研究は、腸管免疫系の制御に関する分子的な裏付けを明らかにしてきたという点に加えて、これまで想定されていなかった腸管免疫系による胎児の疾患感受性の制御、および腸管と骨髄の臓器連関について明らかにしたところが特筆に値し、今後のさらなる研究の拡がりが大いに期待される。

