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日本免疫学会50周年記念

歴代会長・理事長インタビュー   写真で見る日本免疫学会50年  

写真で見る日本免疫学会50年

日本免疫学会50周年に寄せて

 

 

 1971年11月30日に第1回日本免疫学会総会・学術集会が開催されてから今年で50年、半世紀になります。これを記念して、ここに「写真で見る免疫学会50年」を刊行することになりました。過去の記録を拝見しますと、日本免疫学会の設立以前には免疫化学研究会と免疫生物学研究会がありました。当時の抄録を拝見すると、昆虫の免疫(自然免疫ですね)、イモリの免疫、ニワトリの免疫の研究成果がマウスの研究成果と共に報告されています。胸腺やファブリシウス嚢の研究も頻繁に出てきます。今読んでも免疫現象の不思議さと面白さが伝わってきます。

 

 世界的には、18世紀終わりに免疫学という学問を開拓した研究者の中には北里柴三郎博士とそれに連なる日本人研究者がいました。それ以来、免疫学における日本人研究者の、そして日本免疫学会の貢献はとても大きいものです。IgEの発見、抗原受容体の再構成分子機構の解明、サイトカイン遺伝子のクローニングなど、沢山のエポックメイキングな研究成果が日本人研究者によって発信されてきました。

 

 1969年に設立された国際免疫学会連合(IUIS)が米国ワシントンD.C.で最初の国際会議を開催したのも50年前の1971年でした。それ以来3年ごとに計17回の国際会議が開催されていますが、日本免疫学会は第5回(1983年,京都)と第14回(2010年、神戸)の2回にわたって国際会議を主催しました。京都の国際会議ではT細胞受容体のcDNAクローニングが報告され、大きな興奮を巻き起こしたことを思い出します。また、IUIS第9代の会長を多田富雄博士が務められました。ここにも日本免疫学会の世界における立ち位置を見ることができると思います。

本書では、日本免疫学会のこれまでの歴史をたどることを目指しました。総会・学術集会を中心に紹介していますが、様々なアウトリーチ活動も取り上げています。歴史の物語に貴重な写真を添えることでこれまでの日本免疫学会の歩みを皆さんと共有したいと願っています。 

 

 さて、50周年の次の半世紀はこれからです。これからも世界の最先端の研究成果を出し続ける日本免疫学会であり続けたいと願うのは私だけではないと思います。これからの日本免疫学会を背負っていくのは現在の会員の皆さん、特に若手会員です。そのためには、次世代を担う若手の免疫研究者が世界を相手に夢を持って戦える環境作りが日本免疫学会の使命ではないでしょうか。次の50年も輝き続ける日本免疫学会のため、皆さまとともにさらに前に進んでいきたいと思います。

 

 最後になりますが、本書の刊行にご尽力いただいた、審良静男博士を筆頭とする発起人の先生方、広報委員会の先生方、そして貴重な記録や写真をご提供いただいた皆様方に心より感謝申し上げます。本書がこれから50年の日本免疫学会の活動にも活かされることを願っております。

 

特定非営利活動法人 日本免疫学会

第22代 理事長 小安重夫

 

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